オフィスホワイトニングの料金や特徴は?どのくらい白くなる?
ホワイトニングは広義の意味では「歯を白くすること」すべてを指しますが、現在では歯を削らずに薬剤を使用して歯自体を白くする方法を一般的に「ホワイトニング」といいます。オフィスホワイトニングとは歯科医院内(オフィス)で歯科医師や歯科衛生士が行うホワイトニング方法です。
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ホワイトニングについて
ホワイトニングは広義の意味では「歯を白くすること」すべてを指しますが、現在では歯を削らずに薬剤を使用して歯自体を白くする方法を一般的に「ホワイトニング」といいます。学術的には「ブリーチング(漂白)」といい、その他の歯を白くする方法であるクリーニング、マニキュア、セラミック治療などと分けています。
オフィスホワイトニングについて教えてください
オフィスホワイトニングとは歯科医院内(オフィス)で歯科医師や歯科衛生士が行うホワイトニング方法です。一般的には過酸化水素を主成分としたホワイトニング剤を使用し、これに光や熱などを加えて活性化させ、短時間で歯を白くします。1991年にアメリカで実用化されました。発売当初は35%の薬剤に低出力のハロゲンライトを当てる方法で、1回の効果はそれほど高くはありませんでしたが、それ以降研究が進み、特定の波長の光を当てることで薬剤を活性化させ、短時間、短期間で歯を白くすることができます。現在では薬剤の中に光に反応する触媒を配合することで、さらに効果を高くすることができるようになっています。
オフィスホワイトニングの種類
オフィスホワイトニングには次のような種類があります。
光を使用したホワイトニング
白くしたい歯にホワイトニング剤を塗り、そこにホワイトニング剤を分解する特定の波長の光を当てて、短時間で白くします。現在、前歯全体に一度に当たるように設計されたLEDライト(マルチアーチライト)を使用したシステムが主流ですが、歯1本ずつ光を当てて白くする方法もあります。1日に3回繰り返すホワイトニングでは、1回でもある程度白くなります。1日1回のホワイトニングを、何回か繰り返して徐々に白くしていく方法もあります。光が強い場合は歯にしみる可能性が高くなります。
Ex) ブライトスマイル、ズーム、ティオン、ビヨンドなど
光を使用しないホワイトニング
白くしたい歯に濃度の高いホワイトニング剤を塗り、化学反応だけでホワイトニング剤を分解して白くする方法です。高価な機械が必要ないため、一般の歯科医院でも取り扱いが多くなっています。光を使用しないため、効果は若干弱めです。
Ex) ハイライト、Opalescence BOOST、FAPホワイトニングなど
セルフ式ホワイトニング
患者さんが自分でホワイトニング剤を歯に塗って、光を当てて白くする方法です。歯科医院以外のホワイトニングサロンやエステティックサロン、美容院、整体院などで行っています。この方法は歯科医院で扱う医薬品のホワイトニング剤を使用することができないため、表面の着色を分解して落とすことで歯を白くします。医薬部外品や化粧品を使用するため、歯自体を白くすることはできません。
オフィスホワイトニングの利点、欠点
オフィスホワイトニングの利点
オフィスホワイトニングは1回の効果が高く、手早く歯を白くすることができます。結婚式や海外転勤など期日が決まっている場合に向いています。またホームホワイトニングで使用するマウスピースができない方や、根気がない方などホームホワイトニングに不向きな方にもいいでしょう。すべて歯科医師や歯科衛生士が施術をするため、ご自分でホワイトニングを行うことが面倒と思っている方には最適です。
一般的にホワイトニング後は、色の濃い飲食物を避けていただきますが、1回で白くなる効果の高いオフィスホワイトニングですと、1回だけ我慢するだけでいいという利点もあります。
オフィスホワイトニングの欠点
アレルギーや持病など、お体の状態によっては光を使用できない場合があります。この場合は光を使用しないホワイトニングやホームホワイトニングのほうがいいでしょう。また高濃度のホワイトニング剤を使用したり、強い光を使用するオフィスホワイトニングの場合、しみることがあります。今までにホワイトニングでしみたことがある方や、普段から冷たい水でしみることがある方は、事前に申し出たほうがいいでしょう。
抗生物質による変色など、歯の色がかなり色が濃い場合は、あまり白くならないことがあります。
オフィスホワイトニングのメンテナンス
ホワイトニングは数か月程度から少しずつ色が戻り始めます。メンテナンスを行わないと、ホワイトニングの方法にもよりますが、数年で元の色に戻ってしまいます。数か月~1年に1回程度の追加のメンテナンス用ホワイトニング(タッチアップホワイトニング)を行うことで、いつまでもホワイトニング直後の白さを保つことができます。またご自宅ではなるべくお色の濃い飲食物を控えていただいたり、ホワイトニング効果のある歯磨剤を使用して丁寧に磨いていただくことで、ある程度色戻りを遅くすることができます。
オフィスホワイトニングを受ける上での注意点
オフィスホワイトニングには様々な種類があり、施術本数や1回の効果によって料金は変わってきます。同じシステムでも施術時間や回数、本数などが異なる場合がありますので、担当の歯科医師や歯科衛生士に詳しく聞くことが大切です。またセルフ式のホワイトニングは、歯科医院で行っているオフィスホワイトニングとは全く異なりますので、お受けになる際には利点、欠点をよく聞いた上でお受けいただければと思います。
代表的なオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの比較
ホワイトニング・システム | 光の種類 | 1回の効果 | 1回の時間 | B1色になるまでの平均回数 | 1回の料金 | 全体の歯がB1*1色になるまでの平均料金 | ホワイトニング剤の濃度 | 知覚過敏の程度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブライトスマイル | ガスプラズマ | 8~10段階 | 60分 | 1回 | ¥60,000(20~24本) | ¥60,000 | 15% | + |
ズームアドバンス | メタルハライド | 4~6段階 | 30~45分 | 1~2回 | ¥30,000~50,000(12~16本) | ¥70,000 | 25% | +++ |
ティオンオフィス | LED | 4~6段階 | 45~60分 | 1~2回 | ¥25,000~50,000(12~16本) | ¥50,000~70,000 | 22.5% | + |
レーザーホワイトニング | アルゴンレーザー ダイオードレーザー |
3~4段階 | 40~50分 | 3~5回 | ¥30,000~40,000(6~8本) | ¥90,000~200,000 | 35% | ++ |
ビヨンドホワイトニング | ハロゲン | 3~4段階 | 60分 | 2~4回 | ¥20,000~30,000(12本) | ¥80,000~150,000 | 35% | +++ |
その他のマルチアーチホワイトニング | LED | 3~4段階 | 40~45分 | 3~5回 | ¥8,000(6本)~10,000(12本) | ¥60,000~100,000 | 20% | + |
参考文献
- 日本歯科審美学会 ホワイトニングコーディネーター委員会編 ホワイトニングマニュアル -すべての人に白い歯を-
- 財団法人口腔保健協会
2008 東京
- ホワイトニング&プリベンション
- 椿智之
クインテッセンス出版 2011 東京
公開日:2017年12月18日
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この記事の執筆者
椿 知之先生
歯科医師
日本歯科審美学会 認定医
American Society for Dental Aesthetics 認定医、フェロー
日本アンチエイジング歯科学会 認定医