ホームホワイトニングについて教えてください
ホワイトニングは広義の意味では「歯を白くすること」すべてを指しますが、現在では歯を削らずに薬剤を使用して歯自体を白くする方法を一般的に「ホワイトニング」といいます。ホームホワイトニングは歯の型を取り、ホワイトニング用のマウスピースを作り、その中にホワイトニング剤を入れて、自宅で白くする方法です。
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ホワイトニングについて
ホワイトニングは広義の意味では「歯を白くすること」すべてを指しますが、現在では歯を削らずに薬剤を使用して歯自体を白くする方法を一般的に「ホワイトニング」といいます。学術的には「ブリーチング(漂白)」といい、その他の歯を白くする方法であるクリーニング、マニキュア、セラミック治療などと分けています。
ホームホワイトニングについて教えてください
ホームホワイトニングは歯の型を取り、ホワイトニング用のマウスピースを作り、その中にホワイトニング剤を入れて、自宅で白くする方法です。1989年にアメリカで初めて発売されました。現在、アメリカの歯科医院ではほぼ100%取り扱っているくらい、ポピュラーな方法です。ホームホワイトニングには大きく分けて日中使用するデイタイプと夜間就寝中に使用するナイトタイプに分けられます。
ホームホワイトニングの種類
ナイトタイプ
寝る前にマウスピースを装着し、就寝中に白くするタイプ。寝ている間に白くすることができます。アメリカで発売されているホームホワイトニングはほとんどがナイトタイプです。
ナイトタイプの利点
- 仕事などで日中にマウスピースを使用できない場合、寝ている間に白くすることができます
- 抗生物質の影響などで歯の色がかなり濃い方は、長時間使用できるナイトタイプの報が効果があります
ナイトタイプの欠点
- 就寝時にマウスピースを使用するため、違和感があって眠れない場合があります
- 就寝時に歯ぎしりがある場合、マウスピースがすぐに破れてしまう場合があります
- 薬剤の濃度が低いため、効果が出るのに時間がかかります
- 夜寝る前にしっかりと歯磨きをする必要があるため、人によっては生活習慣を変える必要が出てきます
デイタイプ
日中15分から2時間、マウスピース使用で効果があります。一般的に高濃度の薬剤を使用するため、ナイトタイプの使用が出来ない場合や、早く白くしたい場合に向きます。
デイタイプの利点
- 日中30分~2時間程度の使用で、1回の時間が短くて済みます
- 一般的にナイトタイプより高濃度のため、早く白くすることができます
- 就寝時に歯ぎしりがある方でも可能です
デイタイプの欠点
- 日中にマウスピースをしなければならないため、しゃべりにくいなど仕事に支障が出る場合があります
- お薬の濃度が比較的高いため、歯にしみる可能性が高くなります
ホームホワイトニングの利点、欠点
ホームホワイトニングの利点
何と言っても自分の好きな時にホワイトニングができて、歯の白さもコントロールできる点です。忙しい方は、寝る前にマウスピースを装着して寝ている間に歯を白くすることができます。ホワイトニングのメンテナンス(歯の白さを維持するために定期的に行う追加のホワイトニング)もホワイトニング剤を追加購入するだけで済みます。また長時間、長期間ホワイトニングを行うことが可能なため、歯の色が濃い方でも白くできる可能性があります。
ホームホワイトニングの欠点
ホームホワイトニングは1回の効果が弱く、歯が白くなったと感じられるまでに個人差はありますが、1か月程度はかかってしまいます。そのため根気がないと続かないことと、短期間で白くしたい場合や、期限が決まっている場合は避けたほうが無難です。また一度沁みてしまうと、原因を取り除かない限りほぼ毎回しみてしまうため、途中でやめてしまう方も少なくありません。沁みてしまった場合は一度ホワイトニングを中断して、担当の歯科医師に相談して知覚過敏の対策を先に行ったほうがいいでしょう。
自分でできる沁み対策
- 市販のMIペースト(GC)を購入し、マウスピースに入れて5分程度装着する
- 高濃度フッ素入りの歯磨きを使用する(フッ化第一スズ以外)
- リカルデントガムを噛む
一般的にホワイトニング後、最低24時間は色の濃い飲食物を避けてもらっています。ホームホワイトニングを毎日行った場合、ホワイトニング期間中は色の濃いものは口にできなくなってしまいます。特に喫煙者はその間、我慢ができるかどうかが問題です。
ホームホワイトニングの注意点
ホームホワイトニングは患者さん自身の使用方法によって効果が左右されてしまいます。ホームホワイトニングのマウスピースを作製する前に、自分がこの先しっかりと続けられるかどうかなど、担当の歯科医師とよく相談してから始めてください。
現在、日本国内で正式に認可されているものは10%の過酸化尿素製剤のみです。ただ海外にはもっと高濃度のホワイトニング剤もあります。歯科医院で処方される高濃度のホワイトニング剤は、歯科医師が治療目的で厚生労働省の許可をもらって海外から輸入したもので、その使用に際してはマウスピースのデザインや使用時間、使用方法など細かく指示があると思います。患者さんがご自身で海外で購入した高濃度のホワイトニング剤を、歯科医師の指導なく使用したり、既成のマウスピースを使用して行うことはかなり危険ですので、絶対にやめてください。実際に歯茎が腫れたり、歯茎が下がってしまうなどの事故も起きています。
参考文献
- 日本歯科審美学会 ホワイトニングコーディネーター委員会編 ホワイトニングマニュアル -すべての人に白い歯を-
- 財団法人口腔保健協会
2008 東京
- ホワイトニング&プリベンション
- 椿智之
クインテッセンス出版 2011 東京
公開日:2017年12月18日
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この記事の執筆者
椿 知之先生
歯科医師
日本歯科審美学会 認定医
American Society for Dental Aesthetics 認定医、フェロー
日本アンチエイジング歯科学会 認定医