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オールセラミッククラウン(陶材、ジルコニア)の種類と特徴

金属に陶材を貼り付けたり、焼き付けたりしていたメタルセラミッククラウンよりも天然の歯に近い色調で、金属アレルギーへの対策になり、腐食の心配が無く、プラークがつきにくいこともオールセラミッククラウンの特徴です。

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オールセラミッククラウンとは

オールセラミッククラウンの歴史は古く1889年には陶材を使用してアメリカで作成されたと言われています。

オールセラミッククラウンが開発された理由は、それまで使われていた金属に陶材を貼り付けたり、焼き付けたりしていたメタルセラミック(メタルボンド)クラウンよりも天然の歯に近い色調が求められたためと、もう一つは金属アレルギーへの対策です。

また、物性的には金属と異なり腐食の心配が無いこと、表面の滑沢性が高く、プラークがつきにくいことも特徴です。

オールセラミッククラウンの種類と特徴

オールセラミッククラウンと一口に言っても色々な種類があります。現時点ではジルコニアの素材をつかったものとガラスセラミックの素材をつかったものがあります。CAD/CAM冠に使われるハイブリッドセラミックは海外ではポリマーベースクラウンと呼ばれプラスチックとセラミックの粒子を混ぜた物で、オールセラミックではありません。

強度面の比較

強度面で見るとジルコニアが一番強く、次にガラスセラミックの二ケイ酸リチウムを使ったものです。ブリッジとして使う場合は一般的にジルコニアフレームが用いられます。一方、ガラスセラミックは基本的に連結しない一本ずつの歯に使われます。

表面の強度も同様ですが、レイアリングジルコニアやメタルセラミック(メタルボンド)クラウンの表面に焼き付ける陶材は審美性が高い代わりに、強度的には一番弱く、大臼歯のかみ合わせ面など強度が不要な場所に使う場合は注意が必要です。

審美面の比較

審美面で見ると、一般的にはジルコニアの表面にセラミックを焼き付けた物(レイアリングジルコニア)>ガラスセラミックや高透過性ジルコニア>フルジルコニアの順になります。

ジルコニアは元々透明度が低い材料なので支台となる歯の色を遮蔽しやすく、その上にセラミックを焼き付けることにより色のコントロールをして高い審美性を得ることが出来ます。最近はガラスセラミックに近い透明度の高いジルコニアも開発されていますが、その分、強度が低くなります。

ガラスセラミックは色々な色相や透過性を持つ物が有るので、適する材料を選ぶことにより、ある程度の審美性を確保できます。またインレー等、透過性が要求される場合にも選択されます。

ジルコニア材料は焼成するときに3割弱収縮するため、コンピューターを用いた製作支援システム(CAD/CAM)を用いることが必須となり、基本的には技工所で作ります。

ガラス系のセラミックは焼成時の収縮がごくわずかなので、CAD/CAMで作る方法と、これまでのように技工士が手作業で作る方法が選べます。強度はそれほど変わりません。CAD/CAMで作る場合、即日に製作することも出来ます。

接着性の比較

接着性で見ると、二ケイ酸リチウムのようなガラスセラミックが一番接着性に優れていて、ジルコニアは接着性が劣りますが、ホットボンド処理と言ってジルコニア内面にセラミックのコーティングを行う事によりガラスセラミック同様の接着性を得ることも出来ます。

各種セラミッククラウンの比較

株式会社zooラボ提供
表面強度 審美性 接着性
フルジルコニア
高透過性ジルコニア
二ケイ酸リチウム
レイアリングジルコニア
メタルセラミック(メタルボンド)
金属冠 ×

左メタルセラミック(メタルボンド)クラウン(金属冠に陶材を焼き付けた物)と
右レイアリングジルコニア

左のメタルセラミック(メタルボンド)は金属の溶出により、歯肉もかなり離れたところまで黒くなっている。右はジルコニアに入った光が散乱して歯肉内部からも出てくることにより、歯肉も明るく見える。(同一カメラ同一条件で撮影)

参考文献

公開日:2018年4月10日

この記事の執筆者

三浦 健二

三浦 健二先生

歯科医師
昭和大学歯学部 院外講師
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医

医療法人社団三聖会三浦歯科医院

東京都小金井市緑町4-5-2

TEL: 042-381-8241

この記事の監修者

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