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CAD/CAM冠の特徴やメリット・デメリットとは?

CAD/CAM冠はコンピュータを利用して設計・生産を一貫して行う方法で、金属修復物に対し、審美性、金属アレルギーフリー、最短即日修復することが可能などのメリットがあり、これからも普及が進む物と思われます。

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CAD/CAM冠とは

CAD/CAMというのは computer aided design/computer aided manufacturing の略でコンピュータを利用して設計・生産を一貫して行う方法で、ADはコンピュータ援用設計,CAMはコンピュータ援用製造の意味です。

歯科ではコンピュータを使用して冠や義歯などの設計をし、切削機械や3Dプリンターなどで製作します。

CAD/CAM冠にはセラミック系のもの、ケイ酸リチウム系のもの、ハイブリッドと呼ばれるポリマーベース(レジン系)のものがあります。ジルコニア冠もCAD/CAMで作られますが、ジルコニアについては他の項で説明があるので、詳しくはそちらを参照してください。

セラミック系修復物の特徴

強度 審美性 吸水性 接着性

セラミック系の修復物は鉱物の長石を主成分としていて、リューサイトという準鉱物を添加した物(商品名エンプレス)もあります。色調は長石主体の物は透明度が低く、リューサイトを添加した物は透明度が高い傾向があるので適合する色味の材料を選ぶことによって審美性が高まります。主に小臼歯までのクラウンやインレーに使用されます。

ケイ酸リチウム系修復物の特徴

強度 審美性 吸水性 接着性

ケイ酸リチウム系の修復物は長石にケイ酸リチウムを添加することで、強度を増しセラッミック系の2倍以上の強度があります。基本的には切削後に歯科用の焼成炉を使い高温で焼くことにより色調が歯冠色に変化します。

大臼歯を含まないブリッジにも使えますが、ジルコニアと比較して強度が半分程度なので、形態に制約がある為に適応症を選ぶ必要があります。こちらも主にクラウンやインレーに使用されます。

セラミック系やケイ酸リチウム系の修復物は、色づけ材を塗ってその上に上薬を重ねぬりしてから焼成することにより色調を調整するやり方や、陶材を表面に焼き付ける方法で、審美性を高めることが出来ます。

ハイブリッド系修復物の特徴

強度 審美性 吸水性 接着性

ハイブリッド系の修復物は海外ではポリマーベースクラウンやコンポジットレジンクラウンと呼ばれ、セラミッククラウンとは区別されていますが、エナミックと言う多孔質のセラミックに樹脂を浸透させた本来の意味でのハイブリッドクラウンもあります。

色調はレジン系の色づけ材を塗ることにより調整します。健康保険で使われるCAD/CAM冠はこのコンポジットレジンを固めた物です。他の物と比較して、色調が限られること、吸水性や変色性があること、強度の面で使える場所が限られること等の欠点がありますが、徐々に改善されつつあります。

セラミックのブロックの区分け

強度 審美性 吸水性 接着性
セラミック系
ケイ酸リチウム系
ハイブリッド系

CAD/CAM冠のメリット・デメリット

いずれの冠も最短即日修復することが可能です。即日修復の利点としては、その場で歯が入ることだけでなく、削った歯が仮歯用のセメントで汚染されずに被せることが出来るので接着阻害を防げることや仮歯が脱落して細菌感染を起こす可能性が少ないこと等があげられます。

即日修復する為には、セレック・システムに代表されるような、口腔内で専用のスキャナーを使って印象し、診療室内で製作できるシステムが必要ですが、健康保険では認められておらず、機械が高額なことも有り、普及はこれからになります。

執筆者からのコメント

CAD/CAM冠は金属修復物に対し、審美性、金属アレルギーフリーなどのメリットがある上、金属材料の高騰、歯科技工士の減少などの要因もあり、これからも普及が進む物と思われます。

参考文献

公開日:2018年3月16日

この記事の執筆者

三浦 健二

三浦 健二先生

歯科医師
昭和大学歯学部 院外講師
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医

医療法人社団三聖会三浦歯科医院

東京都小金井市緑町4-5-2

TEL: 042-381-8241

この記事の監修者

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